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Sクラス(W222) 左流れ、 アライメントサービス  

CIMG6361.jpg
メルセデス・ベンツS550(W222)
現行Sクラス、新しい車ですね。

カールソンのホィールに換えてから、強烈に左に流れるという事で、
他社にて、アライメントサービスをされていたようです。

なかなか改善せず、オーナー様が、タイヤが片縁してもいいから、
とにかく真っ直ぐ走るようにして、という要望で、苦労して、アライメントサービスをされていたようです。









弊社に入庫、
とりあえず、試運転しました。
確かに若干左に流れるようですが、普通に走れないことも無いレベルでした。






とりあえず、弊社で、アライメント測定、
とりあえず、セオリー通り基準値にて、前後のトー調整のみ行ってみました。

その後、再度試運転、
強烈に、左に持っていかれます。

222 001
↑弊社で、入庫時及びとりあえず前後トー調整のみ行った時の、アライメントデーター表

入庫時、他社で行われたアライメント調整は、
リヤのスラスト角が、強烈に左向きに振られています。
(フォークリフトのリヤ操舵で、リヤが左に向くと、車は右に行く理屈です)

ある意味、他社で調整されて、これだけの左流れを、リヤトー調整、スラスト角を強引に左に向けただけで、
まだ、若干左に流れるものの、ほぼ、走れる状態に出来てたところが、すごいと思いました。
無理やり、真っ直ぐ走らせているので、斜走・カニ走りになっていたでしょう。
他社様の、知識のある方が苦労されて、調整されていた事が分かります。



これは、難しいですね
弊社も、ホィールに交換してからという事なので、フロント左右のタイヤを入替テストしてみたりしてみました。
全く改善されず、強烈に左に流れます。

調整後の数値を見ると、左フロントは、基準値外ではあるが、右よりキャンバーとキャスターが寝て、
これだけの数値を見ると、逆に右に流れそう





しかし、調整前と調整後の数値を見比べると、
キングピン角の左右の差があまりないのに、
キャンバーの左右の差が1°近くもあり、
左キャンバーが基準値を外れています。

この車両は、ダブルウィシュボンです。
キングピン角とは、ハンドルを切った時、アッパーとロアアームの間をつなぐナックルが回る、中心線の角度
そのキングピン角(ステアリング操作時ナックルの回転軸)の左右の差が無いのに、
左のキャンバー角(後ろから見たタイヤの角度)だけが倒れている。

(さらに、左フロントのキャスターも大きく外れています)
おかしいですね。







左フロントのナックルが曲がっている可能性があります。
(ちなみに、キングピン角の左右の差がある場合は、アーム類の曲がりが疑わしいことになります)
ので、左フロントナックルを注意深く点検しました。
よく見ても、左右のナックルの違いは判りません。

CIMG6357.jpg
右フロント
右フロントのタイヤの上に、適当なゴムのブロックを置きました。
ゴムブロックの上は、ナックルとアッパーアーム間のジョイントです。




CIMG6358.jpg
左フロント
次に、左フロントタイヤの上に、同じゴムのブロックを置きました。
右フロントと比べて、ジョイント(ナックル)との隙間が大きくなっていて、違います。



CIMG6360.jpg
右フロント
右フロント違う角度から、ゴムブロックの白い印は、タイヤトレッド溝に合わし、左右でゴムブロックの差し込み量を同じにするためです。

ちなみに、よく見ると、タイヤトレッドの角に、ささくれめくれたタイヤゴムが見えます。
元々左フロントに付いていたタイヤで、テストの為に左右すり替えています。
まっすぐ走らせる為、強引なアライメント数値の為、数キロの試運転で編摩耗しています。




CIMG6359.jpg
左フロント
写真では、わかりにくいですが、
何度も左右比べると、少しですが、物理的に、隙間の違いは、再確認できました。












CIMG6362.jpg
左フロントサスペンション部
鶴の首のような形の、ナックル(ハブキャリア)が見えます。

タイヤ内側(サイドウォール)とナックル間の隙間も、左右の違いがありました。

パッと見では、ナックルの変形はわかりませんが、
左フロントナックルが変形しています
強引な左流れは、これが原因でしょう。
ちなみに、ナックルはアルミ製です。


現車は、新車から、事故した形跡は全くありません、また、前後左右サスペンションを触った(分解)した形跡も全くありません。
なぜ、ホィール・タイヤを交換したのか?交換前のホィールに傷はなかったのか?
再問診しましたが、交換前のホィールに傷は無く、好みでホィールを交換していたようです。

恐らく、路肩の段差等で衝撃があった時があり、その際ナックルが変形したのでしょう。

意外ですが、頑丈な剛性がありそうな、ナックルは、外的要因にて、変形します。
これは、事故等の時、ナックルが変形して、サブフレームやモノコックの骨格メンバーに損害が及ばないように、
また、大きな事故の際には、衝撃を吸収して、最終的に、キャビンに損害が及ばないように考慮されています。
損傷復元修理性・整備性も考慮されているわけです。

メーカー、車種によっては、ロアアームに意図的にくびれがあり、ここで曲がり吸収するものや、ロアアームのインナー側ブラケットに意図的にくびれがあり、折れるものもあります。


では、なぜ、タイヤホィールを新調したら、左流れが発生したのでしょう?か
ノーマルのホィールは径が小さく、後付のホィールは径が大きくなっています、いわゆるルックスアップの為のインチアップです。
インチアップして、タイヤ外径を同じにすると、偏平率が下がり、サイドウォールの薄いタイヤになります。
ノーマルのタイヤは偏平率が大きく、サイドウォールが大きく、クッションがいい、丸いタイヤです。
インチアップされたタイヤは、偏平率が小さく、タイヤショルダー薄く、角が付き、四角いタイヤになります。
四角いタイヤは、キャンバー角が付くと、タイヤの隅に圧がかかりやすくなり、敏感になります。
(また、新品で、大径で低偏平のタイヤは、タイヤグレードも上がる事が多く、グリップも良くなります。)
だから、アライメントにシビアになり、症状がわかりやすく出たのでしょう。






今回は、アライメントサービスにて、サスペンション周りの変形不良が発見できた例でした。
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category: 4輪アライメントサービス

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