ピットクルー ブログ 2

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カイエン 飛び跳ねる  

CIMG6424.jpg
カイエン(先代の後期モデル)の、V6エンジン

お客様のご要望は、
とにかく、乗り心地が悪くひどい、高速道路走行中ギャップ(段差)で、飛び跳ねて、天井に頭が当たるほど…

現車は、22インチでローダウンされていて、お客様はこのカスタムされた状態で、約9万キロ走行の中古車を購入されたようです。

V6カイエンは、エアサスではなく、スプリング車です。
そのスプリングを、ルックス重視で、いわゆる社外品のダウンサスに交換して、車高を下げているという、巷で一番多い手法です。

とりあえず試運転しました、22インチでダウンサスなので、条件は悪いのですが、
確かに、突き上げがあり、乗り心地が悪く、ふらつきも多い、
ローダウン&大口径ホィールカスタム車によくある、特有の下品な乗り味になっていました。

乗り心地を改善する対策で、一番いいのは、本来の性能であるノーマルに戻す事です
ですが、ルックス的に、お客様も僕も、許せないでしょう。
現状のルックスのまま、改善出来たらベストです。

カイエンは、元々オフロードSUV車で、車高は高めでフェンダーの隙間が大きいので、ルックスアップの為、
通常、セダンやスポーツカータイプの車両の場合、20mm前後ローダウンするのですが、
SUV車の場合、40~50mmぐらいローダウンする事が多いです。

現車も、50mmぐらいローダウンされているでしょう。
なので、理想は、ローダウンサスにする時は同時にショートストロークショックに交換するか、
車高調サス&ダンパーセットに交換する事です。
しかし、巷では、コスト的気軽さと要求度により、ダウンサスのみで対応する事が多いです。





では、どうしたらいいでしょうか?
恐らく、僕が試運転した感じ、目視点検は出来ませんが、
バンプラバーが怪しいと思いました。
50mmぐらいローダウンされて、ショックのストロークがかなり短くなっているにも関わらず、
バンプラバーはそのままのポン付作業ではないかなぁと思いました。


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↑右フロントのストラットです。
黄色いスプリングの右、アッパーマウントの下に置いてあるのが、バンプラバーです。
普段は、蛇腹のブーツの中なので全く見えません。










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↑これは、説明の為、仮にバンプラバーを取付け状態にした写真です。
この状態で、短くなったスプリングで、車重がかかり着地すると、ショックが縮み、バンプラバーに接触状態になっていたでしょう。
(車高ダウン量は50mmぐらいだったとしても、ショックはロアアームの中ほどに取付けがある為、レバー比の関係上ノーマルより30mmぐらい縮む予定です)

あの乗り心地が悪い原因は、このバンプラバーに常時接触状態だったからだと思います。


バンプラバーの役目は、普段スプリングとショックにて、路面の段差や衝撃を吸収しているのですが、
スピードが高く、大きく段差がある状況の時は、大きくストロークして縮みます。
その時に、最終的に底付き手前で、衝撃を吸収し踏ん張る性能です。

本来、このバンプラバーも重要な設計・役目があります。





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↑これは、バンプラバーを1/4にカットした状態です。

物理的に、ショックのストロークが増え、バンプラバーが接触しにくい状態になるはずなので、
物理的に、乗り心地は良くなるはずです。

リスクは、大きくバウンドした時に、ショック内部のピストンが底付きして、損傷する可能性がある事です。
ルックス重視なので、実際にはわかりにくいですが、バンプラバーの本来の衝撃吸収性能は、妥協が必要です。

バンプラバーのカット量を、1/2でもよかったのですが、
本来SUV車は、ショックストロークが大きく、またダウン量も大きいので、物理的にストローク確保の為1/4にしました。

作業前、事前に、お客様に、仕組みと作業方法、リスクを充分説明し、ご了承していただいてから、着工しました。






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↑これは、右後ろのストラットです。






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↑バンプラバーが装着位置に並べています。

後ろも同様に作業します。







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↑4輪のバンプラバーカット作業後、アライメントサービスをしました。






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↑アライメントサービス後、メーカー基準値・作業前測定値・調整後測定値を、プリントアウトした書類です。

ローダウン量が多い為、キャンバーが寝る(ネガティブキャンバー)になるので、ロアアームを内側に引っ張り、なるべくキャンバーを起こし、左右の差をなくす方向で調整します。

フロントが大きくトーアウトになっているのが、致命的NGでした。
ネガティブキャンバー(車両後ろから見てハの字)になっているのが、NGでした。
これが、ふらつきの原因です。


車種によって違いますが、カイエンの場合、ダウンサスをポン付すると、トーアウトになるようです。

大口径ホィールで薄いタイヤにすると、角の立った四角いタイヤになり、角に接地圧がかかりやすくなる為、
アライメントの異常は、シビアに影響されやすいです。
作業前状態だと、タイヤの角のみが極端に摩耗するでしょう。

調整後は、きれいな理想的数値になりました。




作業後試運転しました。
明らかに、ガラッと変わりました。
この社外品スプリングは、かなりのダウン量にもかかわらず、凄く乗り心地がいいです。
本来は、良い製品です。

カイエンは、実用的なファミリーカーなので、ローダウンしても、乗り心地重視の方が理想かと思います。
ハンドルのふらつきも無くなり、直進性安定感よくなり、シャッキとしました。


納車後、夕方に、お客様に電話して感想を聞きました。
「凄く乗り心地がよくなり、みちがえった。
ピットクルーを出て、最初の信号までに、明らかに違いがわかりました」と、おしゃっていただきました。




あと出来ればタイヤ交換をしてほしいですね。
現車のタイヤは、アジア製で、完全なV字タイプのトレッドデザインです。
僕の主観では、このV字タイプデザインは、NGです。

一昔、F1マシンのウェットタイヤのデザインのイメージで、影響なのか、
一昔前は、一部の一流メーカーでも採用していました。
V字パターンタイヤは、タイヤノイズが異常に大きく、直進性が悪いです。
縦溝重視のデザインの方が、直進性はいいです。
細かいブロックパターンの方が、静かです。
(ちなみに飛行機のタイヤは直進性最重視の縦溝だけです、縦溝だけでも十分排水は出来ます)

ピレリーやブリジストンなど一流メーカーが理想ですが、
22インチで高価で、ファミリーユースだと思うので、
ファルケンやトーヨーなど、国産の一番安いタイヤでいいので、交換をお勧めします。
そうすると、静かになり、さらに直進性がよくなり、柔らかい乗り味になると思います。
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category: 4輪アライメントサービス

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