ピットクルー ブログ 2

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S550(W221) エンジン修理  

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メルセデス・ベンツS550 !

2005年から2013年までに生産された、先代のSクラスW221になります。
メーカーの新車3年保証がある為、現在、弊社での故障修理は、このW221Sクラスが、主力修理車になっています。


今回のS550の修理内容は、
チェックエンジン警告点灯でした。
入庫時、早速、テスター診断を行いました。
エンジンコントロールユニットの項目で、右バンクIN・EXカムアジャスター不良という、故障メモリーでした。
ちなみに、右バンクとは、運転席に座り進路方向に向かって右です。↑写真では、向かって左が右バンクになります

早速、見積書を作りました。
見積書には、テスター診断、故障メモリー通り、「右バンクIN・EXカムアジャスターを2個交換」の内容にしました。
ちなみに、カムアジャスターは1万円弱X2個、手間・工賃も少ないです。

しかし、弊社の今までの経験から、
当初の見積書に、故障メモリー通り、「右バンクIN・EXカムアジャスターを2個交換」しても、故障が改善されない場合は、
タイミングチェーンのセンターアイドルスプロケットが摩耗している可能性があり、
追加で、エンジンを降ろして分解修理する必要があるかもしれません。と、但し書きを明記していました。
(ちなみに、エンジン脱着分解、スプロケット交換、修理費用は、50万円以上かかります)

もちろん、全部で4個付いているカムアジャスターを順番に交換して、改善され当分問題ない車両も沢山あり、カムジャスターの故障率が高いのも事実です。

タイミングチェーンは左から引っ張られます、
センターアイドルスプロケットが摩耗しても、左バンクのタイミングは狂いません。
センタースプロケットが擦り減ると、スプロットの外径が小さくなり、センタースプロケットと右バンクインテークカムスプロケット間の距離が変わるので、タイミングがずれます。
今回は右バンクのIN・EXカムアジャスターのみの故障メモリーだったので、怪しいと思いました。
とりあえず、右バンクのカムアジャスターを2個交換してみないと、わからないのも事実です。

また、着工前に、上記の内容を、口頭にて充分ご説明しご了承していただいてから、作業させていただきました。





当初の見積もり通り、右バンクIN・EXカムアジャスターを交換しました。
交換後試運転すると、無情にも、即、チェックエンジンが再点灯しました。

エンジン脱着分解、スプロケット交換の修理費用を、見積もりさせていただきました。








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エンジン脱着分解、スプロケット交換の見積もりで、ご了承はいただいていましたが、
今回は、チェックエンジン警告は点灯しているものの、エンジンから異音が無く、また、エンジンの調子は悪くなかったので、、
他に原因があるかもしれないので、念の為に、エンジンを降ろす前に、車上でエンジンを少しバラして、センタースプロケットの目視での確認をしました。

↑写真は、車上でエンジンヘッドのフロントカバーとカムスプロケットを外して、隙間から、スコープカメラにて、センタースプロケットを確認しているところ、
やはり、この状態で、スコープカメラにて、間違えなくスプロケットが摩耗しているところが確認できました。





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通常、エンジンの脱着は、マフラーAssy→ミッションを下に取り外してから、エンジンを上に取り外す作業方法が多いのですが、
今回は、事前に車上でエンジンのタイミングチェーンを外した為、クランクを回して、トルクコンバーターを切ることが出来なくなり、ミッションが取り外せなくなったので、
ラジエター周りを外してから、エンジン・ミッションAssyで、斜め上に抜きました。
ちなみに、生産ラインでは、エンジン・ミッション+フロントサブフレーム・サスペンションAssyにて、下から取付けてます。









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取り外した、エンジン・ミッションAssy!
最近のミッションケースは黒っぽいですね、昔はアルミ色だったのですが、材質が変わったようです







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ブログなので作業の展開は速いです。
エンジンをスタンドにかけて、左右のヘッドを取り外している状態
ここまで来ると、大きく見えたエンジンも、エンジンブロックがシンプルに見えます。

でも、まだ、問題のセンタースプロケットが見えていません。










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↑写真は、左右のエンジンヘッド
写真の部品の置き位置が悪くて、わかりにくいですが、
写真向かって右が、右ヘッド矢印通り手前がフロント方向

エンジンヘッド、フロント方向部に、タイミングチェーンの為のスペースがあります。
このエンジンの場合、このスペース、輪っかのようになって、一体式です。
ちなみに、エンジンによっては、この部分が、輪っかのようではなく、2分割で、フロントカバーが外せる構造のタイプもあり、
その場合は、タイミングチェーンを外すのに、左右のヘッドを取り外す必要がありません。




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エンジンスタンドで、クルッと
オイルパンを外します。











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ようやく、エンジンのフロントカバーが外れました。

エンジンブロック単体にて、V型エンジンの形状がよくわかります。
そのV型の谷間に、小さいスプロケットが見ています。
これが今回、問題のスプロケットです。








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問題の、センターアイドルスプロケットのアップ
予定通り、擦り減っています。

もうひとつ下のスプロケットは、クランクシャフトです。
また、クランクシャフトから、さらにもうひとつ下にチェーンがかかっているのは、エンジンオイルポンプ用です。


ちなみに、この世代の、Sクラス、Eクラス、Cクラスその他に搭載された、V8(113)・V6(112)エンジン共に、
センターアイドルスプロケットの材質が悪いのでしょう、擦り減る可能性があります。





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新品と並べて、比べています。
擦り減っているのが、わかります。

車上で点検した時は、見にくい隙間の上から、スコープカメラで、このスプロケットの山部分が、光って山が尖って変形しているのがわかりました。







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擦り減ったスプロケット比較、正面よりのアングル

これだけ擦り減っていると、センタースプロケットの外径が小さくなり、左バンクインテークカムと右バンクインテークカムシャフトスプロケット間の距離が短くなる為、クランクと左バンクカムとのタイミングがずれて、チェックエンジンの警告が点きます。




このエンジンはV8エンジンなので、ご覧のように、このスプロケットは、カラで回っています。
同じ世代のV6エンジンも、多くの共通部品を使っていますが、V6の場合は、エンジンのバランスが悪く、その振動を消す為、このセンタースプロケットにバランスシャフトが取りついています。



このまま使用し続けると、エンジン不調となり、エンジン内部でガラガラ異音が大きくなっていき、
最悪の場合、右バンクのピストンとバルブが当たり、重大な状態になる可能性があります。




追記…
CIMG6797.jpg
組み立て中!

左右エンジンヘッドをブロックに取り付けてから、
一番重要な、タイミングチェーンを取り付けているところ。
一番、気を付けるところですね





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V8DOHCエンジンです。
4つのカムスプロケット部には、油圧アジャスターが付いています。

クランクシャフトで駆動されるタイミングチェーンは、
左右のインテークカムスプロケットを、引っ張っています。

エキゾースト側カムは、インテーク側からギヤにて駆動されています。

また、カムシャフトの軸受は、ヘッドカバーと一体式です。

矢印の部分は、ヘッドカバーを外したとき、カムが強いバルブスプリング力にて、飛び出ない用に、
また、組み付ける際も、仮止め出来るようになっています。
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category: ベンツ S、CLクラス

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