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マセラティ クワトロポルテ ミッション警告点灯 →エンスト  

マセラティ クワトロポルテ

高速走行中、ミッションマーク警告点灯後、エンスト、走行不能になり、レッカー引き取りさせていただきました。

以前から、弊社のテスターにて診断点検時に、テスター上、クラッチ残量がないのは、オーナー様も認識していました。

テスター上のクラッチ残量は、クラッチストロークセンサーの値から算出された数値になり、テスター上残量が20%以下でも当分走れるケースも少なくなく、クラッチの滑り症状が出てからでも遅くないので、しばらく様子をみていました。



CIMG2026.jpg

↑作業前のクワトロポルテの、リヤアクスル部、写真向かって右が前方になります。
通常のFR車のデフの位置に、デフとミッションがあり、リヤサブフレームに包まれるように搭載されています。

クワトロポルテの前期モデルは、セミオートマミッションです。

セミオートマとは、3ペダルのマニュアルミッションの、クラッチペダル動作とシフトレバー動作を自動化したものです。
本来、マニュアル操作より速いシフト動作が出来て、かつ、操作が自動化されるというメリットがあります。

エンジン直後にクラッチケースがあり、その中に乾式クラッチがあります。
それから、トルクチューブにて後方のミッションとつながっています。




CIMG1998.jpg
早速、クラッチ交換作業実施

クワトロポルテのクラッチ交換は、何度も作業したことがありますが、
後方より、ミッション、トルクチューブ、クラッチケースの順に、降ろしていきます。





CIMG1999.jpg
ミッションを降ろすには、トランクルームの床を取り外しミッションを後方にずらすスペースを確保し、リヤサブフレーム後のステーとスタビを外して、ミッションを後方にずらしながら降ろします。




CIMG1995.jpg
降ろしたミッション右後方よりのアングル、
写真右側が前方になり、前方よりミッションとデフが一体式です。
デフの最後方に油圧のホースがたくさん取り付いている部分が、セミオートマ動作用のアクチュエーター、
セミオートマのコントロールユニットからの信号で、各シフトチェンジの油圧を動作させています。



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ミッション左側面には、先ほどのアクチュエーターからの油圧を受け、シフトチェンジ操作をするアキュームレーターが取り付いています。




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ミッション左後方より、
丸い黒いタンクは、セミオートマ動作用のオイルタンク
見にくいですが、電動のオイルポンプがあり、アキュームレーターへ油圧が供給されています。






CIMG2000.jpg
エンジン下部、写真向かって右が前方になります。
エンジンの左右からエキマニが降りてきています。
エンジンの下はドライサンプの為、オイルパンはありません。

左右のエキマニの前方、サブフレームの丸い形の部分が、エンジンマウントになります。
完全に、フロントサスペンションの取り付けより後方に、エンジンマウントがあり、フロントミッドシップになっています。

エンジン直後には、ミッションケースが取り付いているのが見えます。






CIMG2003.jpg

クラッチケースを取り外したところの、エンジン後方から、
クラッチのプレッシャープレートが見えます。
3ペダル式のマニュアルミッションのクラッチプレートとそっくりの形状です。





CIMG2002.jpg
降ろした、クラッチケース
クラッチプレートを押す、レリーズベアリングが見えます。
3ペダル式マニュアルミッション車では、クラッチペダルを踏むと、ここが前に押されるのですが、
セミオートマでは、油圧で自動動作します。

クラッチケースから伸びる長いホースは、レリーズ動作用の油圧ホース、
後方のアキュームレーターから油圧がかかります。




マセ
写真右より、クラッチケース→トルクチューブ→ミッション・デフの順です。
取り外しは、ミッションから順に外してます。

車体への搭載は、エンジン→クラッチケース→トルクチューブ→ミッション・デフは、リジット一体式の、ひとつの塊で、
エンジン左右のマウントとミッション左右のマウントで、搭載されています。

この前後のマウントは、完全に前後の車軸線内側にあり、
走行性能や操安性、乗り味を重視、こだわった造りになっています。

実用性やスペース効率、合理性を、追究するのが最も得意な日本車にはありえないレイアウトですね。









CIMG2008.jpg
取り替えた、クラッチキット
フリクションプレートは2枚の、ツインプレートタイプです。
左のセンサーは、クラッチストロークセンサーです。

セミオートマのネックは、この乾式クラッチの消耗、耐久性です。

この世代の、フェラーリ(F430)やランボルギーニ(ガヤルド)等のスポーツカーは、セミオートマが多いです。
ちなみに、現行F1マシンは、セミオートマです。
この世代の、ポルシェ911はトルコンオートマチックミッションでした。

この後、スポーツカー後継モデルは、デュアルクラッチミッションに移行していきます。
デュアルクラッチミッションは、湿式多板クラッチなので、消耗的耐久性に強く、シフトチェンジがかなり速くなっています。

マセラティは、この後、トルコンオートマチックミッションに移行しました。
トルコンオートマチックミッションは、一般的オーソドックスな乗用車的ミッションで、
マセラティのミッションは、消耗的耐久性の心配はなくなりましたが、マイルドになり、重たい感覚になりました。

現在、改めて、セミオートマに乗っても、ダイレクト感や軽快感があり、スポーティで、乗り味が楽しいですね



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